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ちょっと一言*無菌操作の力

㈱日本衛菅指導センター 代表取締役・理学博士 古矢光正

2009-10難病と在宅ケアより・ 日本プランニングセンター

かつて、ある都立病院の婦長さんから聞いた話ですが・・・

婦長さん:「MRSAのオペやったけど、わたしださなかったよ。」

小生:「へーさすがですね。」

婦長さん:「やり方よ。」

と満足そうにおっしゃっておりました。聞いていた小生も、充実感のあるすがすがしい気分になったことを思いだします。

小生の勝手な解釈ですが、感染のプロセス・メカニズムを十分把握していれば、基本的にそれを防ぐのは「手技」につきるのではと思います。 基礎的な知識を基にしていかに無菌操作を完成させるかがポイントになるのではないでしょうか。

・この話は患者は予めMRSAの保菌者であることが判明していました。術後の傷跡に腸内容物が接触すれば当然感染を起こす。患部は健康でない組織だから感染の様態は日和見的感染と言うのでしょう。 これを内因性感染と言います。感染により発病する様は多くの場合日和見感染と解釈すればその対応について様々な対応が思い起こすことができるでしょう。

交差感染を防止するためには、特に、「施設内でのおむつ交換作業」は一人が複数の対象者を連続して作業するため、 前の人とのものを次の人に移さないようにするテクニックにかかっているのです。「使用済みおむつ」を都度個別にポリ袋などに詰め 漏れないようにすることも大切な操作といえます。 作業者が白衣などを汚さないための手段としてベッドの高さ、位置などに配慮することは必要なことです。とりわけ「おむつ交換は腰曲げ力仕事」 なので作業者が楽に作業できる環境をつくることも大切です。

これらの配慮は医療施設に限らず家庭内や飛行機・列車などにおいても同様の心遣いが求められます。

基本的に「お行儀」や「センス」の問題がかなりあるような気がします。 感染症予防対策の基本は、「遮断」と「隔離」と「滅菌」にあると言われています。(東京都感染症マニュアルより)。 とにかく、小生は「院内感染対策」をPRしている医科大の近所や食堂で白衣姿を見るのはかなり腹が立ちます。

インフルエンザなどのウィルス性感染症が蔓延してきています。日和見感染の意味と感染防止は日常の手技で守られることを改めて思いおこして下さい。

2009/10