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ワクチン接種の基礎知識 新型インフルエンザの流行対策は万全ですか

ワクチン接種の基礎知識

新型インフルエンザの流行対策は万全ですか?
(前号より続編)

2009年 (平成21年) 12月号 難病と在宅ケアより

㈱日本衛菅指導センター 代表取締役・理学博士 古矢光正

「あなたの居る空間の空気には、常に埃と細菌が浮遊しています。そして、病原体が共存しているのです。」

通気感染するといわれている微生物は、結核菌、レジオネラ菌、肺炎菌、インフルエンザなどが知られている。病原体の起源は感染者から排出される咳や呼気によるミストが環境空気中に浮遊することで呼吸による伝播である。ウィルスなどは、微生物や生細胞・体液に共存して、また塵埃に付着して伝播される。つまり、汚れた空気は病原体の感染媒体といえるのだ。微生物学的空気環境の清浄度を確保することは極めて重要なポイントである。

微生物学的空気環境の清浄度は、浮遊細菌、落下細菌、室内浮遊粉塵の数値を持って指標している。クリーンルームにおいては、浮遊細菌・落下細菌を5個以下に制御するとしている。(国立予防研究所:指針)

浮遊細菌とは、環境空気中に浮遊している細菌の数を個/立方メートル(㎥)

落下細菌は浮遊している細菌が重力により着地した数を個/プレートで表現している。これらの数値を低減することが統計学的な安全指標としている。

ワクチン接種は、対象となる感染症に軽く感染させ体内にその抗体をつくり、新たな侵入してくるウィルス(抗原)感染に備え戦ってくれる戦士を増強させるための予防措置である。ワクチンはウィルスを無毒化または弱毒化した薬で接種時には軽い症状を伴う場合がある。効果が期待できるのは個人差があるものの4週間以上先(4週毎、2階接種する。)早目の接種が推奨される。しかし、十分な抗体が出来る前に感染すると抵抗力が十分発揮できず、発病する場合もあることもしっておくことです。インフルエンザなどは潜伏期が短く発病すると発熱を伴い、やがて脳炎に至り重症化することもある。

ワクチン接種の落とし穴

ところで昨今インフルエンザワクチン接種が品薄から接種順位などが話題になっている。インフルエンザワクチンについては原則妊婦には接種しないとなっているのになぜ接種順位をあげているのだろう。その根拠は示されていないのである。また、いくら品薄とはいえワクチン接種を規定量より少なくしたり、回数を一回で済ませたり実態を耳にする。

また、2回目の接種に使用するワクチンが同一ロットでなければならないことが配慮しているのだろうか。

ワクチンの本質を理解しているのだろうか。危惧される。

ワクチンもない、消毒薬もない、マスクもない、水道もない・・・どうする!!薬や生物学的予防措置をこうじることはもちろん有効なことだが効果を得るためには時間がかかる。

これに比べ物理的にハイジェニックな空気環境を確保することは感染制御としての即効性に優れた身近な方法といえよう。日常生活において概念を知り創意工夫することで感染防御か可能なのである。

消毒用アルコールがなかったら・・流水でよく洗い流すこと。

手洗いの水道がなかったら・・汚れた手て触らないようにしよう。

ワクチンを接種していない・・環境空気を出来るだけ清潔に保ち努力をする。

マスクもない・・頻繁にペットドリンクで十分な「うがい」も有効です。

紙おむつ・・専用ポリ袋などに個別包装が有効です。

研究室で使用される清浄度レベルから清潔のレベルを思い描いてみましょう。

(Bio-burden reduction)微生物を破壊した後、残っているたんぱく質、含水水素、脂質の量をはかって評価します。