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新型インフルエンザの流行対策は万全ですか?

マスクのお作法など

㈱日本衛菅指導センター 代表取締役・理学博士 古矢光正

2009-11

難病と在宅ケア・日本プランニングセンター

感染の様式

1,接触感染

感染形態は3つに分類されます。

(1)直接接触感染・・・手を十分に洗わないと病原体は糞便から手を介して口へと感染します。*直接糞便経口感染

(2)間接接触感染・・・汚れたハンカチ、皿、食器、ドアの取っ手、玩具、石鹸、紙幣、コイン

(3)飛沫感染・・・1m以内 せき くしゃみ 会話 ※もっとも微小な粒子は手術用マスクでさえすべての飛沫の拡散を防ぐことはできない


2,媒体感染

感染媒体は(Vehicle*乗り物)と呼ばれます。多くは、水、空気、食物です。空気感染は、ほとんど新鮮な空気が取り入れられない密室で高くなります。
空気感染する病原体は床に落下してチリ粒子と混ざり合ったりエアロゾルに生存します。


3,媒介動物感染

イエバエやほかの昆虫類は糞便をエサとします。食物にたかれば付着している病原体をまきちらすことになります。

新型インフルエンザ流行に備えて防疫対策がいろいろ提唱されている。

マスクの着用や手洗いの徹底などは基本的事項だが、マスクひとつをとってみても、他人が密集した交通機関など駅広場に出たときなどには、それまで使っていたマスクは捨てて、新しいマスクに取り替えないと病原菌を新たな場所に移してしまうことになってしまう。

マスクは自らを守る道具であるが、同時に病原体の伝播の媒体にもなる。世界的流行になった原因は、航空機などの交通機関の発達と共にその速度を速めることにつながっている。 つまり水際作戦で感染原因要素の伝播経路の遮断を意味し、その術として感染原因となる紙おむつやマスク・ティッシュなどの使用済み物品は感染媒体となるため、封じ込め手段としてポリ袋などに入れ隔離を行い、次の生活空間に新たな感染原因を伝播させないよう配慮しなければならない。

理想的には病原菌に感染する恐れのある場所で使用したものは、その場所で適正な処理を行い、次の空間にこれを持ち込まないで、その手前で廃棄しなければならないのです。

それだけではなく、病原菌を運ぶ最も大きい要素は環境空気中に浮遊する微生物(浮遊細菌)で、インフルエンザなどの空気感染するといわれているウィルスは、この浮遊細菌(宿主)や感染者が出すせきや呼気などに共生して第三者に感染を及ぼします。人に限らず物品に付着してくるほこりや微生物(宿主)を処理することが求められるわけです。

交通機関の隔離された限定された空間の除菌・消毒処理がなされないと次に利用する人が病原微生物を含んだ空気を吸うことになる。利用者がワクチンを接種していれば、感染のリスクは低くなると考えられるが、感染者でなくても病原体の伝播体(運び屋)となってしまうことがある。

その意味を理解しないと水際作戦としての防疫の目的が達成されないことになる。肝炎やHIVなどの接触による交差感染と異なり、通気感染(飛まつ感染 1m以上飛ぶものを含めて 一般的には空気感染とも言う。)は集団的感染を起こしかねない。だから、マスクを正しく使うことや、手洗い、消毒の必要性のみならず使用空間や物品についても同様の配慮が求められる。防疫の手段としての感染制御の意味はここにある。

空気清浄機選びのポイント

□対象空間に見合った規模のものを選ぶ

□換気量は、対象空間体積の6~10回転できるもの

□除塵率として99.97%程度のもの

□除塵効果の消耗度合いがわかるもの

□機械の消毒、清掃が容易なもの・・・常に清潔を保つこと

手洗いポイント

1、目的:手洗いをしなさい。あなたの触れたものには、全て細菌がいます。

2、手洗いをすべき人:感染の恐れがあるところにいた人全てです。

3、いつ手を洗うべきか:違うエリアに入る前と出た後です。【持ち込まない。持ち出さない。】

4、どれくらいの時間をかけて手を洗うべきか:手をする回数が120回と言われています。

5、どのように手を洗うべきか:流水の下で激しく擦りあわせて汚れを落とす。

6、手洗い中の手の位置:洗った手は乾くまで上向きにしておけば上腕からの再汚染が防げる。

7、手洗い設備:できれば自動水栓か足踏み水栓が好ましい。

8、手洗い方法:頻繁に手を洗うと肌荒れの原因となるのでローションなどで手入れをすることが好ましい。ひび割れなどは接触感染の入り口となってしまうから。

マスク使用のポイント

目的:自分を感染から守るのか。それとも人にうつさないようにしたいのか。

マスクのつけ方:手洗いを行い、清潔な手で着けましょう。

マスクの外し方:汚い面を内側におりこんでポリ袋などに入れて捨てましょう。その後の手洗いを忘れずに

American Hospital Associationより

接触感染により伝播する病原体

直接接触 狂犬病、ラット咬傷熱、梅毒、淋病、ヘルペス、連鎖球菌感染、皮膚炭疽、尖圭コンジローマ
非生物性感染媒体による
間接接触
破傷風、感冒、エンテロウィルス感染症、白癬症(タムシ、水虫など)
飛沫感染 感冒、インフルエンザ、麻疹、Q熱、肺炎、百日咳

媒体感染により伝播する病原体

水系感染 コレラ、赤痢、レプトスピラ症、カンピロバクター感染症
空気感染 水痘、結核、コクシジオイデス症、ヒストプラズマ症、インフルエンザ、麻疹
食物感染 ボツリヌス毒素による中毒、マヒ性貝中毒、連鎖球菌性直中毒、腸チフス、サルモネラ症、
リステリア症、トキソプラズマ症、条虫症(サナダムシ)、A型肝炎

媒介動物感染

機械的媒介動物(昆虫体)による感染 大腸菌性下痢症、サルモネラ症、トラコーマ
生物学的媒介動物による感染 ペスト、マラリア、黄熱、腸チフス、ロッキー山紅斑熱、ジャガス病、ライム病